Inscryption

 しばらくインディーズゲー界隈で話題になっていた気がするので正月休みにプレイした。クラシックなカードゲームのビジュアルから基本的にはTCGゲームなのかなという印象を抱いていたが、それにしてはやけに「何も知らない状態でプレイすべき」な空気感が漂っていて、気になって手を出した。

 結論、終盤の放り投げ感が残念。たしかに表に出ているメインビジュアルからは想像もつかない展開が待ち受けていて、「何も知らない状態でプレイすべき」はその通りなのだけど、広げた風呂敷をゲーム内で回収しておらず、いわゆるARG的な体験を含めて完結としているところが気に食わなかった。ARG自体を否定はしないけど、このゲームでARGをやられるのは少し不誠実だなと感じてしまった。

 あとメタ絡みの演出なのだが、UndertaleOne shotDDLCあたりを通過済みだと、メタ好きのオタクでも食傷感の拭えない域を出なかった。OVERDOSE  NEEDY GIRLでも思ったことだけど、どこかで見たことある演出しかない上に、それが物語に効果的に寄与しているとは言い難い。本ゲームに至っては、プレイヤーとしての私たちの目線とルーク・カーダーの目線が混在していていまいちメタとしての没入感に欠ける(ルーク・カーダーの追体験をさせるゲームなのだろうということは、最後までプレイしないと察せられない)。

 ゲームとしては第一幕から第三幕までの構成があって、第一幕から第二幕への切り替わりには素直にテンションが上がったのだけど、そこで煽られた期待には応えてくれなかった。

 ループから抜け出そうともがく第一幕が何だかんだいちばん楽しかったかもしれない。チートカード作って蹂躙するのも純粋なTCGではないからこそ楽しめる要素で良かった。